■平成27年5月11日(月)
郡山ビューホテル4階花勝見の間にて行われました。

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ご挨拶

本日は創業90周年の記念式典のご案内を差し上げましたところ品川市長様はじめ遠方からこのようにたくさんの皆様のご臨席を賜りましたことに心から厚く御礼を申し上げます。
高い席からでございますがご挨拶申し上げます。
この度90周年を迎えることができましたのは平素何かと格別なるご愛顧いただいておりますお得意様をはじめメーカーの皆様、仕入先の皆様、金融機関の皆様、諸先輩の方々、そして社員の皆様の絶大なるご支援とご尽力の賜物であると心から厚く御礼申し上げます。

弊社は大正14年に初瀬七郎が創業させていただきました。自宅の倉庫を整理しておりましたらこの様なものが出てまいりました。磐越東線夏井駅留めで 郡山電気株式会社 川前発電所内 初瀬七郎あての小包で中身は漆器でありました。 郡山の発展は安積疎水の完成に始まります。また、安積疎水には猪苗代湖の水面を調整する西側の戸の口にある十六橋の水門を開閉する、いわゆる「猪苗代湖の水利権」を明治政府から与えられました。1898年(明治31年)市内の有力者で作られた郡山絹糸紡績会社が安積疎水に目をつけ電力を利用した工場生産をめざし沼上発電所を建設しました。そのおかげで翌年には郡山に初めて電灯が灯りました。その後長野県から進出してきた片倉組(後の日東紡)の巨大な資本と最新の設備にはかなわず、1916年(大正5年)紡績部を売却し電機部門を独立させ郡山電気株式会社を設立させました。豊富な電力と格安な電気料金は化学、繊維工業の原動力となりました。大正4年の工業人口2,975人、大正12年には5,453人に増加したのをみても郡山の電力によってあらゆる製造業は育てられました。大正7年に夏井川水電・常葉電気を合併し、大正10年には熱海の駅前の丸守発電所を建設しております。その後、戸の口日橋川側の猪苗代電力を(後の東京電灯会社)との合併を拒み茨城電力と対等合併をし東部電力と名をかえ大日本電力と合併しながら、昭和16年国家総動員法に基づく配電統制令により全国を9ブロックに区分し、大日本電力は東北配電株式会社の傘下に置かれていきました。また、当時、大正13年には郡山町と小原田村が合併し人口2万9,000人の郡山市となり翌年弊社創業年の大正14年には郡山商工会議所が設立させております。
この様に歴史のある郡山電気株式会社出身の技師であり、そのような時代背景での創業でした。
また昭和11年第3回郡山市議会選挙で郡山市議も1期務めさせていただいております。

今日ご臨席を賜ったお客様の中にもたくさんの創業者の皆様がおられます。支払いが先行してしまう業種ならではの資金繰り、将来にわたる責任ある施工、社会に基幹産業として電気のプロとしての知識と技術、誠実にして・努力・勤勉、まさしく裸一貫ゼロからのスタートで今日の隆盛を極めております。そのようなたくましい後姿を拝見し、思いをはせれば私たちの創業者もきっとそうであったに違いありません。
弊社も オイルショック、平成バブル、リーマンショックと社員一丸となって乗り越えてまいりました。先代の教えを守りながら見様見真似で走ってまいりました。
1985年(昭和60年)には、東芝ライテック株式会社様の資本参加と経営指導により現在の基盤を形成させていております。

さて、2011年の東日本大震災を教訓に国土強靭化を図るための公共投資が増額され我が国全体の景況感が上向き、長い15年にもわたる円高デフレから脱却しつつあります。
お陰様で私共の業界は、深夜電力利用のオール電化政策、余剰電力・全量買い取りの太陽光発電システム等次々と繰り出される政府のエネルギー政策の恩恵にあずかっております。本日ご臨席賜っております各仕入先・メーカーの皆様から時代の最先端の情報・技術・商品を提供いただいております。LED照明、エアコン、トランス等いわゆる最も効率の良い省エネルギー基準を満たしているトップランナー方式の様々な商品です。
また、今後電力自由化により昼間の需要時の電気料金の高騰対応のHEMSを利用してのピーク(最大電力)カットシステムは家庭だけではなく工場にもビルにも広がっています。
郡山の産総研では水素に電気をためる研究がされておりますが、いよいよ究極のコスト削減となる再生可能エネルギーの電気で水素を作る水素社会が見えてまいりました。

本日は90周年記念にご覧のような鏡を用意させていただきました。大変おこがましいのでありますが「報徳訓」の文字を入れさせていただきました。現在、過去、未来にわたり、現在の自分たちがあるのは先人のおかげであり自分たちの勤労が後に続く人のためであると書かれております。どうぞ、倉庫の片隅で結構ですのでご利用・ご笑納いただきたいと思います。
最後になりましが、この度90周年を迎えることができましたのはご臨席を賜った皆様方の絶大なるご支援とご尽力の賜物であると心に刻み、これを機に社員一同誠心誠意精進してお客様から更なる信用を頂ける会社をめざしてまいりますので今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いを申し上げます。なお、本会を催すにあたり不行き届きの点多数あったと存じますが90周年記念に免じましてお許しいただけますようお願い申し上げます。
ご臨席を賜りました皆々様の益々のご健康、ご多幸を記念して私のご挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。

平成27年5月11日
初瀬電材株式会社 代表取締役 初瀬 照夫